クレーン機能を備えた車両系建設機械のクレーン部分に係る定期自主検査者教育について
クレーン機能を備えた車両系建設機械に係る労働安全衛生関係法令の適用については,平成12年2月28日付け事務連絡「クレーン機能を備えた車両系建設機械の取扱いについて」により,車両系建設機械に係る規定及び移動式クレーンに係る規定の両方が適用されているところであり,このため,車両系建設機械の部分にあっては労働安全衛生規則第169条の2に基づく特定自主検査を,また,移動式クレーンの部分にあってはクレーン等安全規則第76条に基づく定期自主検査を各々行わなければならないものである.
移動式クレーンの定期自主検査者に対しては,昭和59年10月9日付け基発第546号「移動式クレーンの定期自主検査者に対する安全教育について」(以下「546号通達」という.)に基づく安全教育を実施することとされているところであるが,車両系建設機械に係る.労働安全衛生法第45条第2項に基づき一定の資格を有する労働者又は労働安全衛生法第54条の4に基づき一定の資格を有する者に対する,クレーン機能を備えた車両系建設機械に係る546号通達の取扱いを下記のとおりとするので,了知されたい.
記
- 546号通達に示された「移動式クレーン」とは「クレーン機能を備えた車両系建設機械であって,ワイヤロープ又はつりチェーンを用いないでブームの先端につり具を取り付け,当該ブームを起伏させて荷を上げるもの」とすること.
- 546号通達中実施要領2の対象者について,「車両系建設機械に係る労働安全衛生法第45条第2項に基づき一定の資格を有する労働者又は労働安全衛生法第54条の4に基づき一定の資格を有する者であって,移動式クレーンの定期自主検査者として新たに選任される者及び選任されて間もない者」とすること.
- 546号通達中実施要領4.の教育カリキュラムについて,別紙の「クレーン機能を備えた車両系建設機械のクレーン部分に係る定期自主検査者安全教育カリキュラム」によること.
- 546号通達中実施要領4.の教材について,「クレーン機能を備えた油圧ショベルのクレーン部分に係る定期自主検査実施要領の解説」(社団法人日本クレーン協会編)又はこれと同等の内容を含むものが適当であると認められること.
クレーン機能を備えた車両系建設機械のクレーン
部分に係る定期自主検査者安全教育カリキュラム |
科 目 |
範 囲 |
時間数 |
移動式クレーン定期自主点検の意義 |
クレーン機能を備えた車両系建設機械の定期自主検査の目的及び検査者の役割 |
0.5時間 |
移動式クレーンの上部旋回体、下部走行体及びアウトリガの検査に関する知識 |
モード切替スイッチ、キャブ又はキャノピー等の検査方法及び法定基準 |
0.5時間 |
移動式クレーンのフロントアタッチメントの検査に関する知識 |
フックブロックの検査方法及び判定基準 |
0.25時間 |
移動式クレーンの安全装置の検査に関する知識 |
移動式クレーンの各種安全装置の検査方法及び判定基準 |
1.0時間 |
移動式クレーンの荷重試験の方法及び各部給油一般の検査に関する知識 |
つり上げ私権等、旋回試験等及び走行試験による移動式クレーンの能力に関する検査方法及び判定基準 |
0.75時間 |
関係法令及び災害事例 |
- 労働安全衛生法、同施行令、労働安全衛生規則及びクレーン等安全規則のうち移動式クレーンの定期自主検査に係るもの
- 災害事例
|
0.5時間 |
計 |
3.5時間 |
|