通 達
製造業における元方事業者による総合的な安全衛生管理のための指針について
社団法人日本クレーン協会会長殿 基発第0801011号
厚生労働省労働基準局長 平成18年8月1日

 製造業においては,近年,業務請負が増加し,これを背景とした労働災害が発生しています.また,関係請負人の労働災害の発生率は,元方事業者のものと比較して一般に高いところです.
 これら関係請負人は,設備の修理,製品の運搬等危険,有害性の高い作業を分担することが多く,さらにその作業場所が元方事業者の事業場構内であることから,関係請負人の自主的な努力のみでは十分な災害防止の実をあげられない面があるため,労働安全衛生法(昭和47年法律第57号.以下「法」という.)においては,従来から,当該事業遂行の全般について権限と責任を有している元方事業者に一定の義務を課してきたところですが,今般,元方事業者の労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため,労働安全衛生法等の一部を改正する法律(平成17年法律第108号)により,製造業(造船業を除く.)の元方事業者に作業間の連絡調整の実施等が義務付けられたところです.
 これに伴い,造船業を除く製造業において,元方事業者及び関係請負人の労働災害の防止を図ることを目的とし,元方事業者による関係請負人も含めた事業場全体にわたる安全衛生管理(以下「総合的な安全衛生管理」という.)を確立するため,別添1(省略)のとおり「製造業(造船業を除く.)における元方事業者による総合的な安全衛生管理のための指針」を策定しました.
 また,造船業についても従来から法第30条等に基づき特定元方事業者として作業間の連絡調整の実施等が義務付けられているところであり,同様に総合的な安全衛生管理を確立するため,併せて別添2(省略)のとおり「造船業における元方事業者による総合的な安全衛生管理のための指針」を策定しました.
 これらの指針は,元方事業者及び関係請負人のそれぞれが法令に基づき実施しなければならない事項及び実施することが望ましい事項を併せて示したものです.
 つきましては,貴会におかれましても,傘下の関係事業者に対し,これら指針の周知を図るとともに,これら指針に基づく実効ある安全衛生管理が普及するよう必要な指導,援助に努められますよう要請いたします.

 

(掲載:『クレーン』第44巻 10号 2006年)

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