1 災害発生状況 |
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(1) |
被災者は,送電線上における宙吊り状態から蹴上がり等の動作により,正常状態に復帰するための「支持物昇降・宙吊り基本訓練」をしていた(別添1参照). |
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(2) |
安全帯は,胴ベルト型安全帯(別添2参照)で,ランヤードの一端のフックを胴ベルトのD 環に掛け,ランヤードのロープを伸縮調整器に通し,ロープ部分を送電線に回し,フックをロープに掛けて使用していた. |
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(3) |
胴ベルトのD 環に掛けたランヤードのフックとランヤードのロープとの接続部分のさつま編込みが解け,フックがランヤードのロープから脱落したため,作業者が墜落し,被災(全治半年)した. |
2 原因 |
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本件作業において,ランヤードのロープとフックの接続部分のさつま編込み部分が屈曲としごき荷重が繰り返し加わったことにより,さつま編込みが徐々に緩み,抜けが進行し,最終的には解けるに到ったこと. |
3 作業前点検の注意事項 |
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(1) |
さつま編込み数が3回以上となっていること. |
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(2) |
ストランドに緩みがないこと. |
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(3) |
ヤーンに抜けがないこと. |
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(4) |
シンブルが脱落していないこと. |
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(5) |
編込み強度に著しい影響を与えるヤーンの切断,溶解及び摩耗がないこと. |
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編注)本欄に掲載する通達等の内容の詳細については,厚生労働省又は安全衛生情報センター(中災防) のホームページをご参照下さい.(厚生労働省: http://www.mhlw.go.jp/,安全衛生情報センター: http://www.jaish.gr.jp/menu2.html)なお,同ホームページへは当協会のホームページの外部リンクからもアクセスできます.(日本クレーン協会:http://www.cranenet.or.jp/) |