事務連絡
平成18年10月13日 |
厚生労働省労働基準局
安全衛生部安全課長殿 |
神奈川労働局労働基準部安全課長 |
クレーンの構造部分に使用する鋼材について |
標記について,管内の事業場が国外で設計製造したクレーンを輸入するに際し,クレーンの主要構造部分に使用するEC 規格(以下「EN」という.),アメリカ船級協会規格(以下「ABS」という.)の鋼材がクレーン構造規格(以下「構造規格」という.)第1条第1項各号に掲げる日本工業規格に適合した鋼材と同等以上の化学成分及び機械的性質を有する鋼材にあたるか等について照会がありました.
これについて,下記のとおり取り扱ってよろしいかお伺いします.
使用する鋼材の種類
EN10025 S235J RG2
ABS GrA
使用する鋼材の化学成分及び機械的性質
別添のとおり |
記 |
1 |
本件の鋼材,EN10025 S235J RG2については,日本工業規格G3101(一般構造用圧延鋼材)に適合する鋼材であるSS400と同等以上の化学成分及び機械的性質を有するものであること.
ABS GrA については,日本工業規格G3136(建築構造用圧延鋼材)に適合する鋼材であるSN400と同等以上の化学成分及び機械的性質を有するものであること.
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2 |
本件鋼材の許容応力等の値に関する構造規格の取扱を次のとおりとすること. |
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(1) |
各種許容応力について
各種許容応力は,申請材の降伏点又は耐力,引張り強さの最小値から構造規格第3条の規定により算出した値とする |
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(2) |
座屈係数について
座屈係数は,構造規格別表第1又は同規格第3条第2項の厚生労働省労働基準局長が認めた計算の方法により算出した値とする. |
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別添 |
S235JRG2とSS400との比較 |
1 化学成分
種類 |
等級 |
C≦ |
Mn |
Si≦ |
P≦ |
S≦ |
EN |
S235JRG2 |
0.17 |
1.4 |
― |
0.045 |
0.045 |
JIS G3101 |
SS400 |
― |
― |
― |
0.05 |
0.05 |
|
2 機械的性質
種類 |
等級 |
厚さ(mm) |
降伏点(N/mm2) |
引張り強さ(N/mm2) |
伸び(%) |
EN |
S235JRG2 |
t≦16 |
235 |
360~510 |
26 |
JIS G3101 |
SS400 |
t≦16
16≦40
40≦100 |
245
235
215 |
400~510 |
t≦5は21
5<t≦16は17
16<t≦50は14 |
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GrA とSN400A との比較
1 化学成分
種類 |
等級 |
C≦ |
Mn |
Si≦ |
P≦ |
S≦ |
ABS |
GrA |
0.23 |
2.5C |
0.5 |
0.0.035 |
0.0.035 |
JIS G3136 |
SN400A |
0.24 |
― |
― |
0.05 |
0.05 |
|
2 機械的性質
種類 |
等級 |
厚さ(mm) |
降伏点(N/mm2) |
引張り強さ(N/mm2) |
伸び(%) |
ABS
|
GrA |
t≦100 |
235 |
400~550 |
22以上 |
JIS G3136 |
SN400A |
6<t≦40
40<t≦100 |
235
215 |
400~510 |
17
(6<t≦16)
21
(16<t≦50) |
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(3) |
溶接部の許容応力について
構造規格第4条第1項の規定により算出した値とする. |
(別紙乙)
基安安発第1127002号
平成18年11月27日 |
神奈川県労働局労働基準部
安全課長殿 |
厚生労働省労働基準局
安全衛生部安全課長 |
クレーンの構造部分に使用する鋼材について |
平成18年10月13日付け事務連絡をもって照会のあった標記については,貴見のとおり取り扱うこととして差し支えない. |