標記について,兵庫労働局長からの別紙甲の照会に対し,別紙乙のとおり回答したので了知されたい。 |
別紙甲
兵労発基第602号
平成19年6月21日 |
厚生労働省労働基準局長殿 |
兵庫労働局長 |
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移動式クレーンの構造部分に使用する鋼材について |
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標記について,当局管内の事業場から移動式クレーンの構造部分に使用する下記の鋼材を使用してよいか照会がありました。これについて,移動式クレーン構造規格第1条ただし書きの「厚生労働省労働基準局長が認めた場合」として,移動式クレーンの構造部分に当該鋼材の使用を認めることとしてよろしいかお伺いします。 |
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記 |
1 |
使用する鋼材の種類
SUMITEN980S-KB |
2 |
用する鋼材の化学成分及び機械的性質
別添のとおり |
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別添 |
SUMITEN980S-KB の化学成分及び機械的性質 |
(1)化学成分 |
鋼材 |
適用
板厚 |
化学成分% |
炭素
当量
Ceq% |
溶接割れ
感受性
組成
Pcm % |
mm |
板厚
範囲
mm |
C |
Si |
Mn |
P |
S |
Cu |
Ni |
Cr |
Mo |
Nb |
V |
B |
N |
SUMITEN
980S-KB |
6~
25 |
6~
25 |
0.20
以下 |
0.80
以下 |
1.70
以下 |
0.02
以下 |
0.01
以下 |
0.50
以下 |
2.00
以下 |
1.50
以下 |
0.70
以下 |
0.70
以下 |
0.12
以下 |
0.005
以下 |
0.015
以下 |
0.65
以下
(規格値) |
0.30
以下
(規格値) |
・Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14…………………JIS による炭素当量
・Pcm=C+Si/30+Mn/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+Cu/20+5B……溶接割れ感受性組成 |
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(2)機械的性質 |
鋼材 |
適用
板厚
mm |
引張試験 |
曲げ性 |
衝撃試験 |
板厚
範囲
mm |
降伏点
又は
耐力
N/mm2 |
引張
強さ
N/mm2 |
伸び |
曲げ
角度 |
曲げ
半径 |
試験片
JIS |
適用
板厚
mm |
試験
温度
℃ |
試験片 |
シャルピー
吸収
エネルギー
J |
板厚
mm |
試験片
JIS |
% |
SUMITEN
980S-KB |
6~25 |
6~25 |
960
以上 |
980~
1150 |
≦16 |
5号 |
13以上 |
180° |
厚さの
2.0倍 |
1号 |
12~25 |
-20 |
JIS
V ノッチ
10×10 |
平均値 |
47
以上 |
>16 |
5号 |
13以上 |
>20 |
4号 |
13以上 |
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別紙乙
基発第1004003号
平成19年10月4日 |
兵庫労働局長殿 |
厚生労働省労働基準局長 |
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移動式クレーンの構造部分に使用する鋼材について |
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平成19年6月21日付け兵労発基第602号をもって照会のあった住友金属工業株式会社製SUMITEN980S-KB(以下「申請材」という。)については,移動式クレーンの構造部分への使用を認めることとするので通知する。
なお,申請材の移動式クレーン構造規格(以下「規格」という。)における取扱い等について下記のとおり定めるので留意すること。 |
記 |
1 |
許容応力について
規格第5条の規定に基づき,申請材に係る許容応力の値は,規格第3条第1項及び第2項の規定によって求めた値とすること。
なお,規格第3条第2項に示す座屈係数については,同項の中の「厚生労働省労働基準局長が認めた計算の方法により計算して得た値」とすること。 |
2 |
溶接部の許容応力について
規格第5条の規定に基づき,溶接部に係る許容応力の値は,規格第4条第1項において「鋼材の種類」をB として,求めた値とすること。 |
3 |
溶接について
規格第38条第2項の規定に基づき,申請材の溶接については,溶接棒は,鋼材メーカーの推奨する低水素系の溶接棒を用い,鋼材メーカーの溶接要領に従った余熱及び後熱管理を行うこと。 |
4 |
疲れ強さについて
申請材の使用に当たっては,母材及び溶接部位の疲れ強さに対する安全性を強度計算等により確認すること。 |
5 |
製造検査等における留意事項
製造検査及び使用検査においては,申請材を使用している箇所の溶接施工法を確認するとともに,製造者が行った溶接検査の結果を確認すること。また,クラックの発生の有無について入念に検査すること。さらに,溶接部位については,規格第11条に係る疲れ強さに対する安全性が強度計算において考慮されていることを確認すること。
溶接による補修を行う場合には,補修後の溶接検査の実施及びその結果の記録を徹底させること。また,性能検査等においても,溶接による補修が行われている場合には,補修後に行われた溶接検査の結果を確認すること。さらに,繰り返し応力によるクラックの発生の有無について入念に検査すること。 |