移動式クレーンの定期自主検査者に対する安全教育について |
昭59.10.9 基発第546号 |
|
安全衛生教育の推進については、昭和59年2月16日付け基発第76号「安全衛生教育の推進について」及び昭和59年3月26日付け基発第148号「安全衛生教育の推進に当たって留意すべき事項について」によりその推進を図ることとしたが、今般、これらの通達に基づき定期自主検査者等に対する安全衛生教育のうち、新たに標記の教育に係る実施要領を別添のとおり定めたので関係事業者に対し、実施を勧奨するとともに、事業者に代って当該教育を行う団体に対しても指導援助を図られたい。 |
|
移動式クレーン定期自主検査者安全教育実施要領 |
|
1 目的 |
|
|
移動式クレーンについて、1年以内ごとに1回、定期に行われる自主検査の適切かつ有効な実施を図 るため、当該クレーンの検査及び荷重試験並びにこれらの結果に基づく判定等の業務に従事する者に対 して必要な知識等を付与する。 |
|
|
|
2 対象者 |
|
|
移動式クレーンの定期自主検査者として新たに選任される者及び選任されて間もない者とすること。なお、1月以内ごとに1回、定期に行われる移動式クレーンの自主検査の業務に従事する者を含めて差し支えないこと。 |
|
|
|
3 実施者 |
|
|
実施主体は、上記2の対象者を使用する事業者又は、当該事業者に代わって当該教育を行う安全衛生団体等とする。 |
|
|
|
4 実施方法 |
|
(1) |
教育カリキュラムは、別紙の「移動式クレーン定期自主検査者安全教育カリキュラム」によること。 |
|
(2) |
教材としては、「移動式クレーンの定期自主検査指針解説」(社団法人日本クレーン協会編)等が適当と認められること。 |
|
(3) |
安全衛生団体等が実施するものにあっては、1回の教育対象人員は50人以内とすること。 |
|
(4) |
安全衛生団体等が実施する場合の講師については、当該教育カリキュラムの科目について十分な知識、技能等を有するものをあてること。 |
|
|
|
5 修了の証明等 |
|
(1) |
事業者は、当該教育を実施した結果について、その旨記録し、保管すること。 |
|
(2) |
安全衛生団体等が事業者に代わって当該教育を実施した場合は、修了者に対して、その修了を証する書面を交付する等の方法により、所定の教育を受けたことを証明するとともに教育修了者名簿を作成し、保管すること。 |
|
|
|
6 その他 |
|
|
当該教育は、社団法人日本クレーン協会が実施する「移動式クレーン整備者安全教育」を修了した者については必要としないものであること。 |
|
|
|
|
|
別紙 移動式クレーン定期自主検査者安全教育カリキュラム
科 目
|
範 囲
|
時 間
|
移動式クレーン定期自主検査の意義
|
移動式クレーンの定期自主検査の目的及び検査者の役割
|
0.5時間
|
移動式クレーンの上部旋回体、下部走行体及びアウトリガの検査に関する知識
|
1.エンジン、動力伝達装置、操縦装置、旋回フレーム、締付け部等移動式クレーン上部旋回体各部の検査方法及び判定基準
|
3.0時間
|
2.フレーム、クローラ部、駆動装置、ブレーキ、クラッチ、各締付け部等、クローラ、クレーン下部走行体各部の検査方法及び判定基準
|
3.かじ取り装置、制動装置、走行装置、緩衝装置、動力伝達装置、各締付け部等、トラッククレーン及びホイールクレーン下部走行体各部の検査方法及び判定基準
|
4.アウトリガの検査方法及び判定基準
|
移動式クレーンのフロントアタッチメントの検査に関する知識
|
1.トラス構造ジブ及びボックス構造ジブの検査方法及び判定基準
|
1.0時間
|
2.シーブ、フックブロック、ワイヤロープ等の検査方法及び判定基準
|
3.フロットアタッチメントの各締付け部の検査及び判定基準
|
移動式クレーンの安全装置の検査に関する知識
|
移動式クレーンの各種安全装置の検査方法及び判定基準
|
1.0時間
|
移動式クレーンの荷重試験の方法及び各部給油一般の検査に関する知識
|
1.つり上げ試験等、旋回試験等及び走行試験による移動式クレーンの能力に関する検査方法及び判定基準
|
1.0時間
|
2.各部給油一般の検査方法及び判定基準
|
関係法令及び災害事例
|
1.労働安全衛生法、同施行令及び労働安全衛生規則のうち移動式クレーンの定期自主検査に係るもの
|
0.5時間
|
2.災害事例
|
(掲載:『クレーン』第22巻12号1984年)
|