クレーン組立・解体作業指揮者に対する安全教育について
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昭和62年12月4日基発第676号 |
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安全衛生教育の推進については、昭和59年2月16日付け基発第76号「安全衛生教育の推進について」及び昭和59年3月26日付け基発第148号「安全衛生教育の推進に当たって留意すべき事項について」により、その推進を図っているところであるが、今般、これらの通達に基づき作業指揮者に対する安全衛生教育のうち、新たに標記の教育に係るものの実施要領を別添のとおり定めたので、関係事業者に対し実施を勧奨するとともに、事業者に代わって当該教育を行う団体に対しても指導援助を図られたい。 |
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別添 クレーン組立・解体作業指揮者(クライミングクレーン関係)安全教育実施要領 |
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1 |
目的 |
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最近のクライミングクレーンは、建築物の高層化等に伴い大型化し、その種類及び型式も多様化してきているため、当該クレーンの組立・解体作業に伴う労働災書の発生の危険性が高くなっている。このため、クライミングクレーンの組立・解体作業を指揮する者に対して、作業指揮者としての職務に必要な知識等を付与し、もって労働者の安全の一層の確保に資することとする。 |
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2 |
対象者 |
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クライミングクレーンの組立・解体作業指揮者として選任された者又は新たに選任される予定の者とすること。 |
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3 |
実施方法 |
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実施主体は、上記2の対象者を使用する事業者又は事業者に代わって当該教育を行う安全衛生団体とする。
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4 |
実施方法 |
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(1) |
教育カリキュラムは、別紙の「クレーン組立・解体作業指揮者(クライミングクレーン関係)安全教育カリキュラム」によること。 |
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(2) |
教材としては、「クライミングクレーンの組立・解体安全作業基準解説」(社団法人日本クレーン協会編)等が適当と認められること。 |
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(3) |
安全衛生団体が実施するものにあっては、1回の教育対象人員は50人以内とすること。 |
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(4) |
講師については、社団法人日本クレーン協会が実施する「クライミングクレーン組立・解体作業指揮者安全教育講師養成講座」研修を修了した者又は教育カリキュラムの科目について十分な学識経験等を有する者をあてること。 |
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5 |
修了の証明等 |
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(1) |
事業者は、当該教育を実施した結果について、その旨記録し、保存すること。 |
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(2) |
安全衛生団体が事業者に代わって当該教育を実施した場合は、教育修了者に対して、その修了を証する書面を交付する等の方法により、所定の教育を受けたことを証明するとともに、教育修了者名簿を作成し、保存すること。
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別 紙 |
クレーン組立・解体作業指揮者(クライミングクレーン関係)
安全教育カリキュラム
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科 目 |
範 囲 |
時間 |
クライミングクレーンの組立・解体作業指揮者の職務 |
(1)クライミングクレーンの組立・解体作業における災害発生状況と問題点
(2)作業指揮者の選任とその職務 |
0.5 |
クライミングクレーンの組立・解体作業に関する基礎知識 |
(1)クライミングクレーンの機種、構造等
(2)組立・解体作真に使用する機材等
(3)組立・解体作業の事前準備等
(4)組立・解体作業時の共通的安全対策
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1.0 |
ワイヤロープ式クライミングクレーンの組立作業及びクライミング作業手順 |
(1)架台及び昇降フレーム等の組立手順
(2)旋回部、カウンタジブ、運転室等の取付け及び配線工事の手順
(3)ジブの取付け及びローピング等の手順
(4)組立後の安全装置の調整、各部の点換、組立完成検査等
(5)クライミング作業の準備及び手順
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1.5 |
ワイヤロープ式クライミングクレーンの解体作業手順 |
(1)旋回部の降下準備及び降下手順
(2)ジブ及びカウンタジブ等の取外し手順
(3)運転室、旋回装置、昇降フレーム等の取外し手順 |
1.0 |
油圧式クライミングクレーンの組立作業及びクライミング作業手順 |
(1)架台及び昇降フレーム等の組立手順
(2)油圧ユニット等の取付け手順
(3)クライミング作業の準備及びクライミング作業手順
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1.5 |
油圧式クライミングクレーンの解体作業手順
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(1)旋回部の降下準備及び降下手順
(2)上部及び下部昇降フレームの取外し手順
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1.0 |
関係法令 |
労働安全衛生法、同施行令、労働安全衛生規則及びクレーン等安全規則の関係条項 |
0.5 |
(掲載:『クレーン』第26巻2号1988年)
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