天井クレーンの定期自主検査者に対する安全教育について |
昭61.11.21 基発第670号 |
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安全衛生教育の推進については、昭和59年2月16日付け基発第76号「安全衛生教育の推進について」、同年3月26日付け基発第148 号「安全衛生教育の推進に当たって留意すべき事項について」等により、その推進を図ることとしているところであるが、今般、定期自主検査者等に対するこれらの通達に基づく安全衛生教育のうち、新たに標記の教育に係るものの実施要領を別添のとおり定めたので、関係事業者に対 し、実施を勧奨するとともに、事業者に代わって当該教育を行う団体に対しても指導援助を図られたい。 |
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別添 天井クレーン定期自主検査者安全教育実施要領 |
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1 目的 |
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天井クレーンについて、1年以内ごとに1回、定期に行われる自主検査の適切、かつ、有効な実施を図るため、当該クレーンの検査及び荷重試験並びにこれらの結果に基づく判定等の業務に従事する者に対して必要な知識等を付与する。 |
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2 対象者 |
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天井クレーン定期自主検査者として新たに選任される者及び選任されて間もない者とすること。 なお、1月以内ごとに1回、定期に行われる天井クレーンの自主検査の業務に従事する者を含めて差 し支えないこと。 |
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3 実施者 |
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実施主体は、上記2の対象者を使用する事業者又は当該事業者に代わって当該教育を行う安全衛生団体等とする。 |
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4 実施方法 |
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(1) |
教育カリキュラムは、別紙の「天井クレーン定期自主検査者安全教育カリキュラム」によること。 |
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(2) |
教材としては、「天井クレーンの定期自主検査指針解説」(社団法人日本クレーン協会編)等が適当と認められること。 |
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(3) |
安全衛生団体等が実施するものにあっては、1回の教育対象人員は50人以内とすること。 |
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(4) |
安全衛生団体等が実施する場合の講師については、社団法人日本クレーン協会が実施する「天井クレーン定期自主検査安全教育講師養成講座」研修を修了した者又は当該教育カリキュラムの科目 について十分な学識経験等を有する者を充てること。 |
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5 修了の証明等 |
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(1) |
事業者は、当該教育を実施した結果について、その旨記録し、保管すること。 |
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(2) |
安全衛生団体等が事業者に代わって当該教育を実施した場合は、修了者に対して、その修了を証する書面を交付する等の方法により、所定の教育を受けたことを証明するとともに教育修了者名簿を作成し、保管すること。 |
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別紙 天井クレーン定期自主検査者安全教育カリキュラム
科 目
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範 囲
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時 間
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天井クレーン定期自主検査の意義
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天井クレーンの定期自主検査の目的及び検査者の役割
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0.5時間
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天井クレーンの構造部分、ランウエイ及び機械装置の検査に関する知識
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1 ガーダ、サドル、横行フレーム、トロリフレーム等の構造部分及び運転室(運転台を含む。)の検査方法及び判定基準
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3.0時間
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2 ランウエイの検査方法及び判定基準
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3 走行装置、横行装置及び巻上装置の検査方法及び判定基準
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天井クレーンの電気設備の検査に関する知識
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1 電動機、配電盤、抵抗器、集電装置、機内配線、照明、信号等の電気設備の検査方法及び判定基準
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1.0時間
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2 コントローラ及び操作用開閉器の検査方法及び判定基準
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3 電気設備の回路の絶縁状態の検査方法及び判定基準
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天井クレーンの安全装置の検査に関する知識
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巻過防止装置、非常停止装置、過負荷防止装置、衝突防止装置及び逸走防止装置の検査方法及び判定基準
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1.0時間
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天井クレーンの荷重試験の方法及び潤滑装置の検査に関する知識
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1 つり上げ試験、走行試験及び横行試験による天井クレーンの能力に関する検査方法及び判定基準
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1.0時間
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2 潤滑装置の検査方法及び判定基準
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関係法令及び災害事例
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1 労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令及びクレーン等安全規則のうち天井クレーンの定期自主検査に係るもの
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0.5時間
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2 災害事例
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