ペンダントスイッチ操作式クレーンはトロリ又はガーダからつり下げられたペンダントスイッチにより床上から操作されるクレーンをいい,ペンダントスイッチがトロリからつり下げられるタイプを「床上操作式クレーン」,ガーダからつり下げられるタイプを「床上運転式クレーン」という.
ペンダントスイッチ操作式クレーンは(1)押しボタンスイッチを押すだけで比較的簡単に運転ができる,(2)床上で作業場の状況を確認しながら運転ができるので,位置決めなどの微調整がしやすい(3)玉掛け者の近くで運転ができるので,玉掛け状況が確認でき,相互の合図連絡も徹底できる(4)クレーンを運転する必要がないときは他の作業に従事することができる,等の特徴を有しているのであらゆる分野で数多く使用されている.その反面(1)手軽に運転できる,(2)運転者がクレーン運転と玉掛け作業を兼務する場合がある,(3)運転者は,運転以外の本来の業務に従事しながら補助的な業務としてクレーンの運転・玉掛作業に従事している,(4)管理責任者が不明確な場合が多く,安全・保守管理に手落ちが生じやすい等から災害に至るケースも多い.
今回の安全運転心得は「ペンダントスイッチ操作式クレーンの安全に関する指針」のJCA規格(案)(クレーン誌平成13年12月号に掲載)の内容も盛り込み,管理,運転,保守についての基本的な順守事項と,より安全を確保するための推奨事項を掲載しました.
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